第一生命グループ女子陸上競技部アドバイザー 尾崎 好美(おざき よしみ)2009年第12回世界陸上選手権ベルリン大会女子マラソン競技銀メダリスト。2012年ロンドンオリンピック女子マラソン代表(19位)。現在は、全国の市民マラソンを通じてランナーを応援。

RUNNING 01 年間スケジュールを立てて目標に向かう!4月からのチャレンジランニングは、これまでより少しレベルアップした内容で、私ならではのアドバイスができればと思っています。皆さま、よろしくお願いいたします!

本気で走る「ターゲットレース」は多くても年2回くらいが理想

尾崎好美イメージ フルマラソンをキッチリ走るためには、準備期間が3か月あるといいでしょう。走り込みが1か月、スピード練習への移行として1か月、実践的な練習を2週間、調整で2週間というのが「流れ」です。それまでまったく運動していなかった方は、プラス2か月ほどウォーキングや登山など、走るための体力作りから始める必要があります。
 またレース後には1か月ほど「休養期間」を設けたいところです。そう考えると、本気で走るターゲットレースは多くても年2回くらいが理想になります。ただ、レースを練習と捉えて走ることもあるので、個々のライフスタイルに合わせて決めていただくと良いかなと思います。多くのレースに参加する場合は、毎回全力ではなく、タイムを狙うレース、7割くらいで楽しく走る大会とうまく使い分けてほしいです。また走り慣れている方でも、天候によってダメージが変わってきます。どこかに不調を感じたときは無理をしないように、自分の体の声を聞いてください。

フルマラソンの準備イメージ

東京マラソンを例にした具体的スケジュール

 具体的なスケジュールを2月下旬の東京マラソンを例に考えてみます。
 11月には、2時間走や20km走など長い距離をゆっくりと走ります。紅葉の季節ですし、5~6時間の登山もいいでしょう。慣れてきたら徐々に距離を伸ばしていきます。12月からはペース走などスピードを意識した練習を入れて、少しずつ質を上げます。この辺りでハーフマラソンを入れてもいいですね。1月からはより実践的なメニューでカラダを慣らしていきます。朝晩や2日に分けて40kmを走る、インターバル練習をするなど、とにかくレースペースに近いスピード感で走りましょう。2月上旬のタイミングでハーフマラソンを走るのも悪くありません。レース2週間前からは調整です。疲労をとって、本番にピークを合わせていきます。急に練習量を落とすとピークが早まるので、毎日走っていた人なら週4回ほどにして、短い距離をリズムよく走るなど工夫が必要です。

東京マラソンの場合イメージ

体幹トレーニングでフォームの崩れを防ぐ

尾崎好美イメージ 最後にフォームについてアドバイスします。なかなか自分の走りは見られないので、ショーウィンドーに映る自分の姿でフォームを確認したり、動画で撮影して自分の走りを見てみましょう。イメージと違う場合がほとんどだと思いますが、気になる点があれば、修正していきます。あとは、腹筋・背筋などの体幹トレーニングをこまめに入れるのもおすすめです。体幹がしっかりすると、疲れてきたときもフォームの崩れを防いでくれますよ。

次回のテーマはRUNNING 02 5kmのペース走をしてみよう!

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