第一生命グループ女子陸上競技部アドバイザー 尾崎 好美(おざき よしみ):2009年第12回世界陸上選手権ベルリン大会女子マラソン競技銀メダリスト。2012年ロンドンオリンピック女子マラソン代表(19位)。現在は、全国の市民マラソンを通じてランナーを応援。

CHALLENGE 07 「上り下り」のコツをつかむ!少しずつ涼しくなってきましたね。いよいよロードシーズンが目前に近づいてきました。各地のマラソン大会にエントリーを済ませている方も多いのではないでしょうか。大会によって様々な特色があり、終始フラットなコースだけでなく、アップダウンの激しいコースもあります。そこで今回は「上り」と「下り」の走り方をマスターしましょう。

ちょっとしたコツさえつかめば、上り下りも楽に走ることができる!

 皆さんは坂を上るとき、どのようなことを意識していますか?「上り」は平坦な道よりも脚への負荷が大きくなるので、腰が折れて前のめりになりがちです。また、腰の位置が下がると、脚が上がりにくくなります。きつくても平地を走っている時のように、腰の位置を高くキープしましょう。また、普段より少しだけ歩幅を狭める「ピッチ走法」で駆け上がると、より走りやすくなります。しっかり腕を振り、リズムよく上っていくのもポイントです。

 次は「下り」の走り方です。「下り」はスピードを抑えようとして、上半身を後傾させて脚でブレーキをかけてしまいがちです。バタン、バタンと着地すると、大腿前部の筋肉に大きなダメージがかかります。ここは怖がらずになるべく前傾を意識して、自然なスピードアップに身を委ねてください。下りも上りと同様に、「ピッチ走法」と「腕振り」でリズムを取ることがポイントです。

  • 「上り」のポイント▶︎脚を上げやすいように腰の位置を高くキープ
  • 「下り」のポイント▶前傾姿勢を意識してスピードアップに身を委ねる
  • 「上り下り」の共通ポイント▶「ピッチ走法」歩幅を狭め、しっかりと腕を振ってリズムを取る

傾斜で着地するときの「感覚」を養おう!

尾崎さん写真 「上り」と「下り」の走り方を覚える方法としては、実際に坂道を使ったトレーニングが効果的です。クロカン走や坂道ダッシュもいいですが、私は平地から上り坂にかけての「腿上げ」をオススメします。坂道を走る前から腿上げをしておくことで、傾斜で着地するときの「感覚」を養うことができるからです。腿上げをしながら少しずつ進んでいき、着地したときに重心が真下にあることを確認。しっかり反発があるかどうか感じながら行うと、より効果的なトレーニングになります。

 普段のランニングでは平坦なコースを走る方が多いと思いますが、時々こうした坂道を利用したトレーニングもぜひ活用してほしいと思います。これから涼しくなり、走りやすくなるので、本格的なマラソンシーズンに向けてじっくり準備していきましょう!

次回のテーマは CHALLENGE 08 「LSD」で脚をつくる!

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