第一生命グループ女子陸上競技部アドバイザー 尾崎 好美(おざき よしみ):2009年第12回世界陸上選手権ベルリン大会女子マラソン競技銀メダリスト。2012年ロンドンオリンピック女子マラソン代表(19位)。現在は、全国の市民マラソンを通じてランナーを応援。

CHALLENGE 09 「距離走」でレース感覚を養う!11月に入り、いよいよ本格的なマラソンシーズンが到来しました。みなさんの中には、すでに大会に出場されたという方もいるのではないでしょうか? マラソンシーズンはまだまだ続きます。42.195kmをしっかり走り切る“脚”を作るためにも、今回は「距離走」についてレクチャーします。

体力作りや脚作りにも「距離走」は役立つ

長い距離を一定のペースで 距離走は20kmや30kmなどの長い距離を一定のペースで走るトレーニングです。トップ選手だと、マラソン前に40km走を数本行います。長い距離を走る一番のメリットは、体力作り、脚作りができるという点です。
 「35kmから脚が動かなくなる」という話をよく聞きますが、それは42.195kmを走り切るための“脚”ができていないからです。距離走で脚力を強化して、さらにペースを意識することで“レース感覚”を養います。距離走をこなすことで、本番での精神的な不安も軽減できます。
 距離走は、まずは呼吸が上がらない程度のゆっくりペースから始めます。1~2週間に1回のイメージで、最初は10km、次は15km、その次の週は20kmという具合に、徐々に距離を伸ばしていきます。最終的に40kmまでいけたら完璧ですが、初心者は20~30kmまでこなせればOK。距離走をすることが難しいという方は、無理をせずに前回(CHALLENGE 08)で紹介したLSDでも良いです。レース前1か月を切ったら、距離は短めにして、なるべくレースペースと同じくらいの速さで走りましょう。

中・上級者のトレーニングスケジュール例

徐々に本番のペースに近づけることが大切

腰が落ちないように注意する 40km走を行う時間や機会はなかなかありません。サブ3やサブ3.5を目指す中・上級者の方でも、30km走を数回行う程度で大丈夫です。
また、距離走の一環としてハーフマラソンなどに出場するという方法もあります。ひとりで練習するよりも効果的なトレーニングになるので、取り入れているランナーも少なくありません。そして、レースが近づいてきたら本番での目標タイムを決めて、そのペースで距離走を行います。
これから長い距離を走るのに最適な季節になっていきます。大会で自己ベストを更新できるようにしっかり準備していきましょう。

約30名の参加者と記念撮影のあとみなさんの質問にお答えしました。 まずは念入りにストレッチした後、トラックを2周してウォーミングアップ。
 次にラダーを使った「動き作り」。狭い間隔での「腿上げ」から徐々に幅を広げスピードアップ。
理想の動きにつなげていきます。
 最後にトラックを3周して体験した動き作りを実践しました。
 参加者のレベルは様々でしたが、みなさん良い汗をかきました。

  • 時間をかけて念入りにストレッチ
  • 参加者の動きも徐々に変化
  • 尾崎の見本に「お~!」と感嘆の声も

次回のテーマは CHALLENGE 10 「ビルドアップ走」で追い込む!

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