第一生命グループ女子陸上競技部アドバイザー 尾崎 好美(おざき よしみ):2009年第12回世界陸上選手権ベルリン大会女子マラソン競技銀メダリスト。2012年ロンドンオリンピック女子マラソン代表(19位)。現在は、全国の市民マラソンを通じてランナーを応援。

CHALLENGE  02 「ペースチェック」で“走り”をコントロール! 普段のランニングで自分がどれぐらいのペースで走っているのか、把握していますか?マラソンの成功には、「ペース配分」が大きなポイントです。日々のランニングから自分の「走り」をコントロールできるように気をつけましょう。

走るペースの「感覚」を身につけるために

 調子が良いとつい速く走ることだけに偏った練習になっていませんか?ペース感覚を身につける事で理想のタイムに近づけます。
 なんとなく走っていると、自分のペースがわかりません。毎回ではなくても構わないので、ときには距離表示のあるコースを走って、1㎞ごとに自分のタイムをチェックしてみてください。「このくらいで走れば、キロ○分ペースなんだ」という“感覚”をカラダに覚えさせていくのです。そうすることで、距離表示のないところでも自分の思ったペースで走ることができるようになっていきます。
 距離表示のあるコースが近くにないという方もGPSウォッチを活用することで、走行距離や走行ペースがリアルタイムでわかります。そして、1㎞ごとのタイムとそのときのリズムをすり合わせて、「ペース感覚」を養っていきます。
 GPSウォッチのない方は、1周ごとのタイムを計ることで、自分の「スピード」を確認することができる周回コースを走ってみましょう。

トラックを利用してペースをチェック

1 距離表示のあるコース 公園のランニングコースなど2 GPSウォッチの活用 機種によってはスピード計測や走行距離計測などの機能も3 周回できるコース 陸上競技用のトラックなど

ペースをリズムで覚えれば、レース本番で力を発揮できます。

自身の経験やトレーニング方法について語る

 同じタイムで走っているのに「今日はキツイな」とか、逆に「ラクだな」ということがあり、それは日々の体調、気象コンディションによって変わってきます。そういう変化を感じ取ることで、ランナーとしての経験が積み重なり、様々な状況に対応できるようになっていきます。
 ペースをリズムで覚えることができると、レース本番で何度も腕時計をチェックする必要はなくなってくるのもメリットです。42.195kmを走るのに、1kmごとに腕時計を確認すると、それだけで疲れてしまいますよね。私は5㎞ごとで十分だと思います。
 またタイムを意識しすぎると、調子が良いときにペースを抑えてしまうことがあります。日頃から自分の「感覚」をつかんでおくことで、レースでも存分に力を発揮できるようになってきます。せっかく走るんですから、レース本番につながるランニングを心がけましょう!

次回のテーマは CHALLENGE 03 「ウィンドスプリント」をやってみよう!

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