第一生命グループ女子陸上競技部アドバイザー 尾崎 好美(おざき よしみ):2009年第12回世界陸上選手権ベルリン大会女子マラソン競技銀メダリスト。2012年ロンドンオリンピック女子マラソン代表(19位)。現在は、全国の市民マラソンを通じてランナーを応援。

CHALLENGE 13 レースを分析して次回に生かす!42.195kmを走破したときの達成感は格別です。疲労感もあり、しばらくは走りたくないかもしれませんが、何が良くて、何が悪かったのか。レースをきちんと分析することで、次のレースが変わってきます。そこで自分のレースを振り返ってみましょう。

レース中の「ペース配分」をチェック!

強い気持ちを持って走る 具体的にどこをチェックするかというと、主に“ペース配分”です。たとえば、オーバーペースで入ってしまい、後半に脚が動かなくなった。またその逆で、カラダは余裕があったのに通過タイムを見て「速い」と思ってしまい、ペースを落としてしまった、ということもあります。
 レースを分析することで、「あそこはもう少し粘れたかも」というような精神面での反省点も見えてきます。
 オーバーペースだった方は、調子が良くても、ペースを守って走る練習を繰り返し、本番でも周囲に惑わされないよう冷静に走ることを心がけます。自重して失敗した方は、タイムにとらわれず感覚で走る練習、たとえば、時計をつけずに「きつい」と感じる速さで走る練習などを取り入れます。同時に自己ベストを出すことは、「自分を超える」ことなので、速いペースでも「挑戦するんだ」という強い気持ちを持つことも大切です。

失敗した分だけ学び、「成功」に近づける!

 そういう私もこれまで数々の失敗レースをしてきました。トレーニング中に故障して、練習が積めないまま出場したり、減量がうまくいかなくて、直前に焦って無理に体重を落として貧血気味になった状態で出場したこともあります。故障は仕方ない部分もありますが、減量については、レース直前ではなく、もう少し早い段階からベスト体重に落としておく必要がありました。そのような経験から練習量を増やして、食事に気をつけるなどを繰り返して自分に合った減量の仕方を覚えていったんです。
 皆さんも失敗を恐れることはありません。その分だけ、「成功」に近づいている証拠ですから。失敗から何か少しでも学び、ベストレースを目指してください!

次回からリニューアルします!1年間ありがとうございました! この3月号で2016年度の最終回になります。1年間ご愛読いただき、ありがとうございました。「そんなこと知っているよ」とか、「私はそう思わない」と感じるような情報もあったかもしれません。しかし、私の経験を私なりの言葉でお伝えすることで、“違う感じ方”をしていただけるかなと思いながら書いてきました。また、皆さまにお伝えすることで、私も改めて学ぶことができました。これからも皆さまと情報を共有していければうれしいです。4月号から、リニューアルした「Ozaki’s METHOD」をお届けします。今後ともよろしくお願いいたします!

▲ページの先頭へ戻る