第一生命グループ女子陸上競技部アドバイザー 尾崎 好美(おざき よしみ)2009年第12回世界陸上選手権ベルリン大会女子マラソン競技銀メダリスト。2012年ロンドンオリンピック女子マラソン代表(19位)。現在は、全国の市民マラソンを通じてランナーを応援。

RUNNING 07 42kmを走ってみよう! 本番までにフルマラソンと同じ距離を走っておくことで、距離に対する不安を取り除くことができます。

走りきれると感じるペースを掴もう

上級ランナーはペース走がお勧め 初めて「42km走」に挑戦するときは、ペースを決めずに、ゆっくりジョグでOKです。サブ4、サブ3.5を目指す方も、設定ペースは決めず、「このくらいのペースなら42kmを走り切れそうだな」と感じるゆったりペースで走ってみましょう。そうすることで、自然と「LSD」になります。LSDとは「Long Slow Distance」の略で、ゆっくりペースで長い時間かけて距離を踏むメニューになり、マラソントレーニング初期の脚づくり、持久力や心肺機能の強化に効果的です。
 ただし、サブ3以上を目指す上級者ランナーは、LSDではなく、ペース走での42km走をお勧めします。呼吸が上がらない程度のペース(目安はキロ5分くらい)で淡々と走る感じでしょうか。イーブンペースで走っていってかなり余裕があるようなら、終盤ペースアップすることで、さらに負荷の高いメニューになります。

1日に42km走るのは難しい方に

目的に合ったコース選びが大切

尾崎好美 42kmは長いので、走る場所も工夫しましょう。特にLSDの場合は長時間走り続けるので、景色の綺麗なコースを走ったり、友人と一緒に会話しながら走ったりすると時間の経過が早く感じられます。また、42kmを走り切れるか不安な方は、帰ってこなければならない折り返しコースよりも、周回コースの方が安心かもしれません。楽に走りたいという方は平坦なコースを選べば良いですし、起伏の多いコースを走れば脚筋力を強化できるので、目的に合ったコースを選ぶといいですね。
 続けて走るのが辛いときは途中にウォーキングを入れても構いません。まずは「完走」を目指して頑張ってみましょう。ゆっくり走るときほどフォームが崩れやすいので、ときどき、正しいフォームで走れているか気にすることも大事です。

次回のテーマはRUNNING 08 マラソンを意識した「変化走」に挑戦してみよう!

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